【用語】アポダイゼーションフィルタ搭載のレンズ-独特のボケを生み出すレンズ

【用語】アポダイゼーションフィルタ搭載のレンズ-独特のボケを生み出すレンズ

おはようございます。
フリーフォトグラファーのけんちろです。
先日YoutubeのLIVE配信をしているときに視聴者の方から頂いたチャットの中に

こんなコメントがありまして……

「あぽだいぜーしょん???」

となったわけです。

そこで、ここは一つお勉強ということで、少し調べてみました。
今回はその内容をまとめます。

前提条件としてここではあくまで
「カメラのレンズについているアポダイゼーションフィルタ」
の話をします。
天体望遠鏡なんかにもアポダイゼーションフィルターは使用されるらしいのですが、それは全然用途も効果も違うそうです。
(ま、望遠鏡で「ボケ」がどうこう、って言われてもね)

アポダイゼーションフィルタ搭載のレンズ-独特のボケを生み出すレンズ

結論から言うと

アポダイゼーション(APD)というのはフィルターのことであり、そのフィルターがレンズの中に入っていると「ボケ」の輪郭が柔らかくなる

ということらしいです。

理論的にはレンズの中にこんなフィルター

が入っていて、周辺の光を遮ることでボケの輪郭をぼやかしてくれるということです。
(画像はイメージです)

特徴1.ボケの輪郭は柔らかくなるが、ボケ自体は小さくなる

上記のようなフィルターが入っているため、背景がボケたときにボケの輪郭をにじませることができます。
ただし、あくまで周辺をにじませているだけなので、ボケ自体は小さくなります。
ここは好みが分かれるところですね。

点光源をぼかしたときのイメージです。
左が通常のボケイメージ、右がアポダイゼーションフィルターが入ったときのボケのイメージ。
フィルターを入れると週へのボケがにじむのですが、ボケ自体の大きさは小さく見えてしまいます。

特徴2.レンズが暗くなる

当然一部光を遮るフィルターが入っているので、レンズが暗くなります。
例えばF1.8のレンズでもF1.8のつもりで撮ってしまうとアンダーな写真になるということですね。
このときに使われるのが「T値」と言われるもので、「T値」とは実測のF値みたいなものです。
このT値を目安に露出を決めていく必要があります。

特徴3.ピント面は解像感が上がる

特徴2の通り、アポダイゼーションフィルターが入っていると少し暗くなります。
少し暗くなるということは「少し絞っている」という効果が得られると言うことになります。
このため、同様のF値で見た場合ピント面の解像感は上がります。

……でもまぁこれなんだか言葉のマジックみたいなもので、F値より暗くなってるんだからそれは絞ってると同義みたいなもんなんですけどね。

特徴4.位相差AFが使えない

2020年1月現在
アポダイゼーションフィルターが入っているレンズでは位相差AFが使えないです。
コントラストAFが効くカメラであれば、AF自体は動くけどものすごく遅い。
となったり、場合によってはAF自体が使えないこともあるので、そこはチェックが必要です。

アポダイゼーションフィルター内蔵レンズ

SONY FE 100mm F2.8 STF GM OSS

FUJIFILM フジノンレンズ XF56mmF1.2 R APD

キヤノンがアポダイゼーションを搭載したレンズを開発中?
との噂もあります。
しかもキヤノンのフィルターは「可変式」で、ON/OFFできたり、どの絞り値でも使えたりするものだとか?
可変ということは位相差AFもしっかり動きそうですしね。
アポダイゼーションフィルターを使用したボケの世界がもっと盛り上がってくれば、キヤノンからものすごいレンズが発売されるかもしれませんね。

まとめ:どんな効果があるのか?

ざざーっとアポダイゼーションフィルターが内蔵されているレンズの話をしてきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

では、実際撮影においてどんな効果があるのか?
と考えたところ

背景ボケの輪郭をなくすことができるので、ごちゃごちゃした背景でもスッキリ見せることができると思います。
ボケの輪郭がなくなるということは、もはや「色」としか判別できなくなってきます。
このため、ゴミが写ってようが文字が写ってようがそれを認識することができなくなるので、ごちゃごちゃした背景でもスッキリ見せることができます。

もっと端的に言えば
「背景をそれほど意識せず撮影ができる」
ということですね。

独特のボケを得られるアポダイゼーションフィルター内蔵レンズ。
1本持っておくのも面白そうです。

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