【解説】カメラRAWの14bit 16bitってなに?
目次
カメラの性能の一つに
「RAWのbit深度」
というものがあります。
上記は「富士フイルムGFX100」の仕様に掲載されているものです。
「RAWは16bitか14bitで記録できますよー」
と書かれています。
ちなみに
富士フイルムの「GFX50S」「GFX50R」は14bitでしか記録できません。
1億画素の「GFX100」から16bitで記録できるようになりました。
(先日発表された「GFX100S」も16bitで記録できます)
またフルサイズカメラについては現状14bitで記録できるカメラしか存在していません。
(先日発表されたソニーの「α1」も14bit RAWを採用)
何が16bitで記録できるのか
そもそも16bit RAWって何が16bitなのでしょうか?
それは
イメージセンサー1画素あたりの情報量
になります。
つまり上記のGFX100でしたら、
1億200万画素それぞれが16bitの情報量で記録されるということになります。
16bitと14bitでどのくらい違うのか?
「16bitと14bitってたった2bitしか違わんやんー」
と思われるかもしれませんが。
14bitは 16,384段階
16bitは 65,536段階
で記録できるので、その差は
「4倍!」
記録できるということになります。
データ量が4倍で1億画素となると
「ファイルサイズどうなるねん」
という気がしますが、とある記事によるとRAW1枚あたりのファイルサイズは
200MB
とのことです。
メリット・デメリット
16bitで記録するメリット
では、16bitで記録するメリットとは何でしょうか?
感覚的に
「データ量が多いと写真がきれいになる」
という気がしなくも無いですが、ここで抑えとかなくてはいけないことがあります。
それは
jpegは8bit
ということです。
また我々が普段使用しているモニターも現在ほとんどが8bitのモニターを使用しております。
(ちょこちょこ10bitモニターが出始めてきています)
最終的に8bitで表示する「写真」ですが、それでも16bitで記録するメリットがあります。
それは
RAW→Jpeg変換のときに(若干)有利になる
以前こちらの記事を書きました。
こちらに書いたとおり、RAWからJpegに変換するときは「画像処理エンジン」にて「現像」が行われます。
この「現像」が行われる際、データ量が多いと有利になります。
具体的には
- ノイズ処理に有利
- 白飛び、黒つぶれを防ぎやすい
- コントラスト調整に有利
など、元画像のデータ量が多いと最終のデータに破綻が起きにくくなります。
でもまぁこれは16bitと14bitでそこまで大きく差は出ません。
現像処理時に有利になる
僕たちがLightroomなどで現像をする際、
「シャドーの部分をもうちょっと明るくー」
など、写真の一部に手を加えることがよくあります。
その際に、元データのデータ量が多いと階調の破綻が起きにくく、現像時に調整できる幅が広がります。
このあたりは以前YouTubeでも解説しました。
このように、現像時にあまりパラメーターをいじらない場合はそこまで大きな違いは出ませんが、
「シャドー部を持ち上げたい」
など大きく変更する場合は、元データのデータ量は多いほうが良いということになります。
16bitで記録するデメリット
もちろん、16bitで記録するデメリットもあります。
それは単純に
データ量が大きい
14bitよりも4倍のデータ量がある16bitのデータは単純にファイルサイズが大きくなります。
このため最終的に写真が生成されるまでの各所で処理が重たくなります。
- 画像処理エンジン
- 内蔵バッファ
- 記録メディア
- バソコンのCPU・メモリ
- パソコンの記憶領域
などなど、様々な箇所でハイスペックが求められます。
フルサイズ機で16bit記録が存在しないのも、おそらく「連射速度」や「内蔵バッファ」でのデータ取り回しを重視しているものだと思います。
まとめ
GFX100Sが発表され、16bitのRAWデータというものがより身近になりました。
14bitと比較するとデータ量が4倍になるためかなり取り回しは大変かと思いますが、現像時の自由度などを考えるとかなり魅力的ではあると思います。