背景をぼかすための3つの要素+α
目次
一眼レフやミラーレスカメラを購入したからには
「背景をぼかした写真を撮りたい!」
と、なるのはよくわかります。
最近はスマートフォンでも、合成による背景ぼかしが出来るようになりましたが、合成なのでやはりどこか不自然です。
- 背景のボケてる写真がいい写真じゃない!
- ボケすぎてたら意味がわからない!
とかいう意見もあるかとは思いますが、今回は単純に
「背景をぼかすための要素」
を3つ上げたいと思います。
要素1:F値(絞り値)
とりあえず背景をぼかしたい場合は
「F値(絞り値)」を小さくしましょう。
つまりは単純にF8で撮影するよりも、F1.8で撮影したほうが背景がぼける
ということになります。
どこまで「F値(絞り値)」を小さく出来るかはレンズによって異なります。
一般的に「F値」を小さく出来るレンズはサイズが大きくなり、高価になります。
「あー、やっぱり背景をぼかすには金がいるのかー」
と、なった方。
「単焦点レンズ」を使用することで比較的お手頃価格で「最小F値」の小さいレンズを手に入れることができます。
ズームレンズの場合
Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
ニコンのズームレンズです、このレンズの最小絞り値は
「F2.8」
です。
ズームレンズにしては中々「F値」が小さく出来る方ですが、お値段は
「約22万」
です。
単焦点レンズの場合
Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
同じくニコンの単焦点レンズです。
こちらの最小絞り地は
「F1.8」
です。
かなり「F値」を小さくすることが出来て、お値段は
「約2万7千円!」
です。
背景をぼかした写真を撮りたい場合で、費用を抑えたい場合は
「単焦点レンズ」
を購入されることをおすすめします。
要素2:レンズの焦点距離
ボケ味はレンズの焦点距離によって変化します。
焦点距離というのは〇〇mmという、レンズの撮影画角を表す数値になります。
背景をぼかしたい場合は、焦点距離の「大きい」レンズを選択しましょう。
つまり
35mmのレンズよりは85mmのほうがよくボケます
85mmのレンズよりは300mmのほうがよくボケます
要素1と合わせて考えると
最小F値が小さく、焦点距離が長い(数値が大きい)レンズ
が、よくボケるということになります。
要素3:被写体との距離
要素1.2は使用するレンズの話し。
要素3は撮影時の話になります。
背景をぼかしたい場合、被写体になるべく近づいて撮影しましょう。
遠くにある被写体を撮影したときよりも、近くにある被写体を撮影したほうが背景はよくボケます。
+α:背景選び
背景をぼかす場合は「背景選び」も重要です。
要素1.2.3を駆使して頑張って背景をぼかしても、肝心の背景選びに失敗すると、
- ボケてるように見えない
- ボケてても汚い
ということが発生します。
ポイントとしては以下があります。
抜けのある背景を選ぶ
被写体の後ろがすぐ壁
というような場合、ボケるものが少なくなり、「ボケてる感」が出ません。
また、遠くのものほど大きくボケるので背景に抜けがある方がよりボケて見えます。
このため被写体から後方がある程度距離がとれる(抜けている)背景を選択しましょう。
ボケてることが認識できる背景を選ぶ
コレ結構重要です。
いくらボケてても以下のようなものはボケてることが認識できません。
- 白い壁
- 青空
- 遠くの山
このような「色が均一のもの」「コントラストがないもの」などはボケていても
あまり「ボケている感」が出ません。
どちらかと言うと背景がごちゃごちゃしてたり、イルミネーションのような「点光源」がある場合は、ものすごく「ボケてる感」が出ます。
どのような背景がきれいにポケるかという話は以前YouTubeでしました。
よかったら参考にしてみてください。
まとめ
このように背景をぼかしたい場合は、「ボケる要素」を理解しておく必要があります。
レンズ選択としては
最小F値が小さく出来、焦点距離の長い(数値の大きい)レンズ
を選択し、
撮影時に
被写体に寄って、背景に注意して撮影する。
ということが言えます。
参考として写真を貼っときます。
作例
なるべくぼかした写真
要素1.2.3 +αを駆使してなるべくぼかした写真です。
105mmのF1.4というレンズを使用していて、被写体に近づいて撮影しています。
なるべくぼかさない写真
要素1.2.3を逆に振った写真になります。
20mmのレンズを使用しF14まで絞って撮影をしています。
木の葉っぱ全てにピントがあっており、一番奥のビルも形がわかる写真になっていると思います。
ボケをコントロールしましょう
背景がボケている写真=いい写真
では決してありません。
ただ、ぼかしたい場合やピントを前面に合わせたい場合に、今回のことを理解できていれば思い通りの写真が取れるようになります。
これらのことを参考にして是非、
「自分の意図通りにボケ味がコントロールできる」
を撮影してみてください。