この記事はこんな人におすすめ!
- カメラを始めたばかりの人
- いつも「絞り」「シャッター速度」「ISO」のどれかしかいじらない人
- カメラオートではなくマニュアルで撮りたい人
おはようございます!
けんちろです。
今回はカメラを始めたばかりの初心者向け。
「露出トライアングル」
について説明したいと思います。
よろしくおねがいします!
カメラの基礎、絞り、ISO、シャッター速度の関係【初心者向け】
目次
カメラを操作し写真を撮影する際に基本となる設定それが
- 絞り
- シャッター速度
- ISO
です。
この3つは「写真表現」というものに大きく影響を与えます。
簡単に言うと、この3つの設定を変化させることにより
「同じシーンを撮影しても違う表現ができる」
ようになります。
今回は絞り、シャッター速度、ISO、それぞれの役割を見ていきましょう。
露出=写真の明るさを決める
露出とは
写真技術において露出(ろしゅつ、英語: exposure)ないし露光(ろこう)とは、フィルム、乾板などの感光材料やCCD、CMOSなどの固体撮像素子を、レンズを通した光にさらすこと(現在のカメラでは通常シャッターの開閉により、これを行う)。またはカメラのレンズを通過してくる光の総量や、画像そのものの明るさのことをいい、これらはレンズの絞り(F値)と露光時間(シャッター速度)及びフィルム感度の組み合わせによって決まる。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
「露出を調整する」事により写真全体の明るさを調整することができます。
その「露出」を調整する方法が
- 絞り
- シャッター速度
- ISO
の設定ということになります。
これらをバランス良く設定することで最適な露出(適正露出)を得ることができます。
このためこれらの3つの要素を「露出トライアングル」と呼びます。
3つの値をどう設定するかによって「露出」(写真の明るさ)が決まるわけですね。
そうですね!
では、それぞれ3要素の役割を見ていきましょう!
露出トライアングルとは
- 絞り(Aperture)はレンズで光が通る量を調整します。
- シャッター速度(Shutter Speed)はカメラのシャッターにて光を通す時間を調整します。
- ISOはカメラのイメージセンサーが光を受信する感度を調整します。
写真を撮影する際はこれらの3要素を調整し露出を決定します。
絞り、ISO、シャッター速度のどれかを変えると露出が変わる
絞り、ISO、シャッター速度はそれぞれで露出に影響を与えます。
つまり絞りを変えるだけで写真の明るさは変わります。
また絞りを開けて(F値を下げて)シャッター速度を上げる事により、
露出(写真の明るさ)は変わらず、写真の表現だけを変える
ということもできます。
このあたりが「写真表現」の面白いところです。
なぜ、写真の明るさを変えたいだけなのに、いろいろな手段があるのでしょうか?
それは、絞り、ISO、シャッター速度を変化すると、露出(写真の明るさ)以外も写真に影響が出るからです。
これらを理解することで「自分が撮りたい写真」というのを撮ることができます。
また「次にどういう機材を買えばいいのか」もわかるようになります。
絞り、シャッター速度、ISOについてそれぞれの役割を見ていきましょう。
絞りの変化が写真に与える影響
絞りはレンズ内にある「絞り羽根」を調整することにより「レンズを通る光の量」を調整します。
絞りを閉じる(F値を大きくする)と光を通す穴が小さくなるので、露出はアンダーに(写真が暗く)なります。
逆に絞りを開ける(F値を小さくする)と光を通す穴が大きくなるので、露出はオーバー(写真が明るく)なります。
F値の最小値・最大値はレンズによって変わる
上の絵ではF1.4とか書いてあるけど、僕のレンズはF4までしか値を小さくできません。
設定できるF値の範囲はレンズの性能によって決まります。
一般的には
ズームレンズよりは単焦点レンズ
価格の高いレンズ
のほうがF値は小さくできますね。
上記のように絞りの値(F値)によって露出を調整できるわけですが、設定できるF値はレンズによって異なります。
各レンズで設定できる最小F値はレンズの商品名に記載されています。
上記商品の場合、設定できるF値の最小値は F2.8 です。
こちらのレンズの場合、設定できるF値の最小値は F1.8 です。
前者のズームレンズは約15万円で設定できる最小値はF2.8
後者の単焦点レンズは約4万円で設定できる最小値はF1.8
このように一般的には単焦点レンズのほうが設定できるF値の最小値は小さくなります。
露出以外に絞り値が写真に与える影響
露出以外にも絞り値は写真の写りに影響を与えます。
それが
ボケ
です。
絞りを開ける(F値を小さくする)と背景がボケ、絞りを閉じる(F値を大きくする)と背景までピントが合うようになります。
ボケに関してはこちらに記事にも書いてありますので、
「背景をぼかしたい!」
という方は参考にしてみてください。
シャッター速度の変化が写真に与える影響
シャッター速度はカメラ内にあるシャッターの「開いている時間」を調整することで、露出をコントロールする設定です。
シャッター速度を早く(空いている時間を短く)することで、露出はアンダー(写真が暗く)なります。
逆にシャッター速度を遅く(空いている時間を長く)することで、露出はオーバー(写真は明るく)なります。
シャッター速度を設定できる範囲はカメラによって変わる
設定できるシャッター速度の範囲はカメラの性能にって異なります。
ニコンD850の最大シャッター速度は
1/8000
です。
ニコンD610の最大シャッター速度は
1/4000
です。
このように最大シャッター速度というのはカメラの性能によって異なります。
しかしながら1/4000と1/8000はそこまで大きな違いはありません。
(数字上は倍違うので、かなり大きな差に見えてしまうんですが……)
最初の頃はあまり気にしなくてもいいと思います。
露出以外にシャッター速度が写真に与える影響
シャッター速度が露出以外に写真に与える影響はズバリ
ブレ
です。
シャッター速度を上げる(早くする)と動いているものもピタリと止まっている写真を撮影することができます。
逆にシャッター速度を下げる(遅くする)と動いているものはブレて写ります。
手ブレなど意図しないブレなどはシャッター速度を上げることで回避できます。
また意図してブレを生み出すことにより、写真表現の幅を広げることができます。
スローシャッターを使用することで写真で「動き」を表現することができます。
流し撮りなどもシャッター速度を遅くした撮影の応用技術です。
ISOの変化が写真に与える影響
最後はISOです。
ISOは日本語では「感度」と言われており、フイルムカメラでは使用するフイルムに応じて感度が決まっていました。
この商品はISO400のフイルムです。
デジタルカメラになってISOはカメラ内で自由に設定できるようになりました。
こういうのもフイルムカメラには無い、デジタルカメラの利点ですね。
ISOは
高くすることで露出をオーバー(写真を明るく)することができ、
低くすることで露出をアンダー(写真を暗く)することができます。
ISOが露出以外に写真に与える影響
ISOが露出以外に写真に与える影響は
ノイズ
です。
一般的にISOを上げるとノイズが大きくなります。
ただしこれはカメラによってノイズ特性がかなり変わります。
また、撮影する写真によってもノイズが目立つ場合と目立たない場合があります。
ノイズが気になる、気にならないというのは人の感覚によってかなり差が出てくるので、一概に「ISOを上げるとノイズが多くなる」とは言えません。
ISOを上げるとノイズが出るから、できたら100で撮ったほうがいいと聞いたことがあります。
昔は少しでもISOを上げるとノイズが目立つことがありましたが、今は技術の進歩によりISOをかなり上げてもノイズは目立たなくなってきました。
実際に高いISOで撮影してみてノイズが気になるならISOを下げるというやり方がいいですね。
実際ISOを上げることに躊躇するあまり手ブレなど失敗写真になることもよくあります。
そのあたりの話は以前YouTubeで話しました。
まとめ
絞り、シャッター速度、ISO
この3つの設定を使用した露出トライアングル。
写真の明るさを決めるのに非常に重要な役割を果たしていますので、ぜひ覚えておいてください。
そして、実はこの3つの設定には「段」という考え方があります。
この「段」を理解することで露出コントロールを意のままにすることができるのです。
次回はその「段」について書きたいと思いますので、興味がある方はまた見に来ていただけると幸いです。
では素敵な写真ライフを!