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【解説】フルサイズセンサーとAPS-Cの違い

フルサイズ・APS-Cセンサーサイズの違い

「フルサイズセンサー」
「APS-Cセンサー」
などは
「センサーサイズ」を表す言葉です。

カメラのセンサーサイズというのは色々あります。

※数値は一例で各社カメラごとに微妙に異なります。

マイクロフォーサーズの下には「1型」などもあったりして、
同じ「カメラ」といえどもセンサーサイズは様々です。

さて、ではセンサーサイズが違うと写真にどのような影響があるのでしょうか?
ここでは
「フルサイズセンサー」(フルフレームと言ったりもします)

「APS-Cセンサー」
の違いを見ることで、センサーサイズの違いによる写真の影響を見ていきましょう。

撮影にどのような影響があるか?

センサーサイズが異なると写真はどう変わるのでしょうか?
例を上げましょう。

フルサイズでこのような写真を撮影しました。

これを仮にAPS-Cのセンサーで撮影したとしましょう。
(他の条件はすべて同じ)
するとこうなります。

センサーサイズが小さくなったので「写真」として切り取れる範囲が狭まりました。

フルサイズセンサーで撮影したときの写真と比べて、真ん中が切り取られたような写真になります。

「センサーサイズが違う」
ということはこれだけです。

では改めて
フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの写真で変わったところはどこでしょうか?

それは

  • 画素数(解像度)
  • 画角

の2点になります。

画素数(解像度)の違い

フルサイズセンサーに比べてAPS-Cセンサーの場合、周辺が切り取られたので
切り取られた部分の「画素」がなくなりました。
同じ性能のセンサーを単純に
フルサイズからAPS-Cに変更した場合は単純に画素数が減ります。

でも最近はAPS-Cセンサーのカメラでも画素数が高いものが増えてきましたね。

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーで「画素数を同じ」にするにはどうしたらいいでしょうか?

それは単純に
「1画素の大きさを小さくすればよい」
ということになります。

1画素の大きさが小さくなるデメリット

1画素の大きさが小さくなると画質面では不利になります。
光を受けれる面積が小さくなるので

  • 高感度に弱い
  • ノイズが出やすい
  • ダイナミックレンジが狭くなる

等、デメリットが発生します。

また1画素の大きさが大きいほど、物のテクスチャ(質感)などが出やすいと言われてますね。

このため「1画素の大きさ」は大きいほうが画質的にはメリットが有るのです。

結果、フルサイズのほうが画質が良いと言われる理由

このように「同じ画素数」ならば1画素の大きさを大きく出来るフルサイズのほうが画質的メリットがあります。

また、「同じ1画素の大きさ」を実現しようとすると、やはりフルサイズのほうが「画素数」を多くできるために画質的にメリットがあります。

ただし、A3サイズにプリントするくらいでしたら2,000万画素あれば十分解像度は足ります。
最近のフルサイズセンサーは4000万画素オーバーの物も増えてきましたが、そこまで解像度がいらない場合は、2000万画素のAPS-Cセンサーでも変わらない画質を得ることが出来ます。

画角の違い

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いとしてもう一点挙げられるのが
「画角の違い」です。

フルサイズセンサーに対してAPS-Cセンサーは「約1.5倍」拡大されるため、
画角(レンズの焦点距離)も「約1.5倍」になります。

例:
50mmのレンズで撮影 → 75mmの写真が出来る

このように同じ条件で撮影した場合、APS-Cセンサーのほうが少しズームしたような写真になるわけです。

このため、APS-Cセンサーのカメラは
「広角が不利で望遠が有利」
というふうに言われてたりします。

しかしながら、最近では質のいいAPS-C用広角レンズも出ているのであまり気にしなくてもいいかと思います。

35mm換算とは?

補足として、よく「35mm換算で……」という記載があるかと思います。
ここで言う35mmとはフルサイズセンサーの事を表しており、
上記の「センサーサイズにより画角が変わる」点を表しています。

先程の例で言うと

50mmのレンズで撮影 → 75mmの写真が出来る

というのは「35mm換算75mmのレンズ」という一言で置き換えられることがあります。

35mm換算で書かれている数値というのは
「出来上がる写真の画角」を表しているともいえます。

フルサイズのほうがよくボケる?

たまに
「フルサイズのほうがよくボケる」
という言葉を聞きませんか?

一番最初に述べたように、
フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いは「画素数(解像度)」と「画角」です。
ただ単純に真ん中を切り取ってるだけです。
写っている内容は変わらないので、「ボケ感」というところに違いは出ません

では、なぜ
「フルサイズのほうがよくボケる」
と言われるのか?

これは「言葉のマジック」みたいなところがあります。

キーワードは先程記載した「35mm換算値」です。

言葉のマジック

ここに50mmのレンズがあったとします。

このレンズをAPS-Cセンサーのカメラに付けて、写真を撮ります。
すると写真としては75mmの画角の写真が出来るわけです。

ここで、これと全く同じ画角の写真をフルサイズ機で撮影しようとします。
75mmの画角の写真がいるわけなので、75mmのレンズを使用します。

APS-C機・フルサイズ機
両者で撮られた写真を見比べてみます。

画角は同じなのですが、背景はフルサイズ機のほうがボケています。

「ほら!フルサイズ機のほうがボケる!」

と、言いたくなりますよね。

ここまでくればもうお気づきだと思いますが、この写真は画角は同じでも使用したレンズが違うのです。
APS-C機は50mmのレンズ
フルサイズ機は75mmのレンズ

焦点距離が長いほどよくボケますので、75mmで撮影された写真のほうがよくボケます。

センサーの違いではなく「レンズの違い」でボケ味が変わっているわけです。

でもまぁ、
「同じ画角の写真だとフルサイズのほうがよくボケる」
というのはあいだの説明を全部ふっとばして考えると間違いではありません

まとめ

長々と説明しましたが、
「センサーサイズの違い」は「画素数(解像度)」と「画角」の違い
であることがおわかりいただけたでしょうか?

現在発売されているカメラで
「コストパフォーマンスがいい」のは
APS-Cマイクロフォサーズのカメラです。

フルサイズセンサーとの違いをちゃんと理解することで、
どちらが自分にあったカメラなのかをしっかり判断しましょう。

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  • この記事を書いた人

けんちろ

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34歳の時、うつ病でサラリーマンプログラマーを脱サラ。
➡人生諦めモード ➡ど素人からプロフォトグラファに転身
➡現在人生超ポジティブ!

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